はじめに:なぜ今、世界中の株が「バブルか?」と騒がれているのか
皆さん、こんにちは。お金の不安を「安心」に変えるお手伝いをする、Webライターのhidekunです。
最近、ニュースやSNSで「株価が過去最高値だ!」「バブルじゃないか?」なんて言葉をよく目にしませんか?特に7月末は、まさに世界中の株式市場が”熱狂”している状態でした。
「でも、株なんて難しそう…」「自分には関係ない話でしょ?」
そう思っている方も多いかもしれません。私も昔、調理師としてひたすら美味しい料理を作ることに夢中になっていた頃は、経済のニュースなんて全く見ていませんでした。しかし、ひょんなことから福祉の世界に飛び込み、生活に困窮する方々と接するうちに、「お金の知識は、生きていくための護身術だ」と痛感したんです。
この記事では、そんな私自身の体験も交えながら、2025年7月末時点の「世界同時株高」がなぜ起きたのかを、できる限り優しく、かみ砕いて解説していきます。
難しそうな数字がたくさん出てきますが、ご安心ください。一つ一つ丁寧に、料理のレシピを説明するように解説しますので、「投資なんて全くわからない」という方でも、きっと最後まで楽しく読み進めていただけます。
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第1章 2025年7月31日時点の“熱狂”を数字で俯瞰
まずは、この”熱狂”がどれほどのものだったのか、実際の数字で見ていきましょう。
(※ 本章の騰落率は、すべて2025年年初から7月31日終値までのデータに基づいています)
世界の主要な株価指数を見てみると、驚くべきことに、どこもかしこもグイグイと上昇しているんです。
- 先進国全体(MSCIワールド指数):年初から +10.9%
- アメリカ(S&P 500):年初から +6.9%
- ヨーロッパ(STOXX 600):年初から +8.0%
- ドイツ(DAX):年初から +32.8%
- 中国(MSCI中国):年初から +25%
- 日本(日経225):ついにバブル後最高値の42,000円台に到達!
特にドイツのDAX指数が、半年で30%以上も上がっているなんて、すごいと思いませんか?まるで、私が調理師をしていた頃に、みんなで力を合わせて新しい料理を開発したら、大ヒットして売り上げが急上昇した時のような、そんな勢いを感じます。
このような「世界同時株高」が起きている背景には、いくつかのヒントがあります。
- 上昇の幅が広い:特定の銘柄だけでなく、多くの銘柄が上がっている
- リスクを示す指標が安定している:投資家が「今はそこまで怖くない」と感じている
- 資金がたくさん流れ込んでいる:世界中のお金が、株へと移動している
まるで、春になって一斉に花が咲き誇るように、AIの進化や金利の動きをきっかけに、世界中の株が一気に花開いた、というイメージです。
第2章 地域別パフォーマンス深掘り〜世界を旅する気分で見てみよう〜
一口に「世界同時株高」と言っても、地域によって株価を押し上げた原動力は少しずつ違います。まるで、各地域の食材や料理法が違うように、株高の背景も様々です。
2-1. 北米 ― “生成AI+利下げ観測”が牽引
アメリカやカナダの株価を押し上げたのは、主に「AIブーム」と「金利が下がるかも」という期待感です。
特にアメリカでは、私たちの生活を劇的に変えつつある「生成AI」に関連する企業の株が、ロケットのように上昇しました。S&P 500という主要な指数は、このAI関連のほんの一握りの企業が、全体の7割以上の値上がりを牽引しているんです。
また、FRB(アメリカの中央銀行)が「そろそろ金利を下げるかもしれない」という見方が出てきたことも追い風になりました。金利が下がると、企業はお金を借りやすくなり、投資家も株を買いやすくなります。これは、料理で例えるなら、美味しい料理を作るための調味料の価格が下がって、お店の経営が楽になるようなものです。
2-2. 欧州 ― ドイツの“未来基金”が旋風を巻き起こす
ヨーロッパでは、特にドイツの株価が絶好調でした。その最大の理由は、ドイツ政府が打ち出した「未来基金」という、莫大な財政支援計画です。
この計画が発表されたことで、「ドイツの企業はこれからどんどん成長するぞ!」という期待が膨らみ、機械や化学といった「内需バリュー株」に資金が流れ込みました。
私たちがスーパーで買い物をする時、価格や品質を見て「これはお買い得だ!」と感じるように、投資家も「ドイツ株は今が買い時だ!」と判断したわけですね。
2-3. アジア太平洋 ― 日本と中国のV字回復
アジアも負けていません。特に日本株は、ついにバブル崩壊後の最高値を更新するほどの上昇を見せました。
その大きな要因は「円安」と「アメリカとの通商合意」です。円安が進むと、日本の自動車や電化製品が海外で安く売れるため、輸出企業の業績が良くなります。
また、中国株もV字回復を見せました。EV(電気自動車)や生成AI関連の銘柄が急伸し、SNSで人気の「クールチャイナ」という消費テーマも追い風になりました。
2-4. 新興国 ― ドル安を追い風に資金流入
ブラジルやインドといった新興国の株価も好調でした。アメリカドルの価値が下がったことで、海外のお金が新興国市場に流れ込みやすくなったためです。
まるで、今までアメリカドルという大きな壁に阻まれていた水が、一気に新興国へと流れ込むようなイメージです。特に、銅やリチウムといった資源の価格が高騰したことで、資源国の市場は大きく上昇しました。
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第3章 株高を支える4つのドライバー〜この熱狂を動かす「4つのエンジン」〜
この世界同時株高は、偶然起きたわけではありません。まるで、4つの強力なエンジンが同時に動いているかのように、様々な要因が絡み合って起きています。
3-1. 生成AI × GX 投資ブーム
投資の世界では今、「生成AI(人工知能)」と「GX(グリーントランスフォーメーション)」という二つの大きなテーマがブームになっています。
特にAI関連の企業には、ベンチャーキャピタル(VC)という専門の投資家から、膨大なお金が流れ込んでいます。最新のデータによると、なんとVC資金の半分以上がAI関連に投じられているほどです。
GX(グリーントランスフォーメーション)とは、企業が環境問題に取り組みながら成長を目指す、という投資の流れです。料理の世界でも、環境に配慮した食材を使うレストランが増えているように、経済界全体が持続可能な社会を目指しているわけですね。
3-2. インフレ鈍化と主要中銀の利下げカウントダウン
世界中で物価の上昇(インフレ)が落ち着いてきました。
このため、アメリカの中央銀行(FRB)をはじめ、世界の中央銀行が「そろそろ金利を下げる時期かもしれない」と考え始めています。金利が下がれば、企業や個人の経済活動が活発になり、それがまた株価を押し上げる力になります。
3-3. 政策支援:財政+通商がリスクプレミアムを圧縮
ドイツの「未来基金」のように、各国の政府が経済を支援するための政策を打ち出しました。
また、アメリカと日本が通商合意を結び、自動車にかかる関税が緩和されるなど、国際的な貿易に関する不安が和らいだことも、株価にとっては良い材料となりました。
3-4. 企業業績の上方修正と“資本還元ブーム”
企業の業績が、事前の予想よりもさらに良くなっています。そして、企業が稼いだ利益を、株主に還元しようという動きが活発になっています。
特に「自社株買い」という、企業が自分の会社の株を買い戻す動きが過去最高レベルに達しており、これも株価を押し上げる大きな要因になっています。
第4章 セクター別“勝ち組・負け組”〜すべての料理が大ヒットするわけじゃない〜
どんなに市場全体が好調でも、すべての株が同じように上がるわけではありません。まるで、ブームの料理とそうでない料理があるように、株の世界にも「勝ち組」と「負け組」があります。
4-1. 世界の“勝ち組”トップセクター
- 航空宇宙・防衛:地政学リスクの長期化で、各国の防衛費が増えたため
- 通信:AIやクラウドの需要増で、光ファイバーなどの通信インフラの需要が急拡大
- 銀行:金利が高止まりしているため、お金を貸し出す際の利益(利ざや)が増加
- 半導体:AIサーバーや電気自動車(EV)に必要な半導体の需要が絶好調
4-2. 世界の“負け組”トップセクター
- 石油関連:EVの普及や原油価格の調整で、需要が減少
- 化学:需要が減少し、利益が縮小
- 鉱業:中国の景気回復が鈍化したため、鉄鉱石などの需要が低迷
- ハイテク機器:スマートフォンやパソコンの買い替えサイクルが長期化
第5章 資金フローと投資家心理〜「熱狂」の中身を数字で読む〜
投資家たちが今、どのような心理状態で、どこにお金を動かしているのかを見てみましょう。
- 資金の流れ:ヨーロッパの株から、アメリカの株へ資金を移す動きが目立っています。
- リスク指標:VIX指数(恐怖指数)と呼ばれる株価の変動の大きさを測る指標は、安定した状態を保っています。これは、多くの投資家が「今、大きな暴落は来ないだろう」と楽観的に考えている証拠です。
- 個人投資家の心理:アメリカの個人投資家を対象にした調査では、「株価は上がる」と答えた人が平均を上回りました。
まるで、みんなが「この熱い波に乗らないと損だ!」と焦っているような状態です。
第6章 リスク要因と“逆回転”シナリオ〜落とし穴はどこにある?〜
しかし、どんなに調子が良くても、世の中には必ずリスクがあります。私が調理師として働いていた頃も、「この料理は美味しそうだけど、食中毒のリスクがあるから要注意だね」なんて、常にリスクを意識していました。
今の株式市場にも、注意すべき4つのリスクがあります。
- 地政学リスク:台湾海峡や中東情勢の緊張が、サプライチェーンを混乱させるリスク
- 米大統領選と“関税ドミノ”:トランプ大統領が再び当選した場合、追加関税が課され、世界経済に悪影響を及ぼすリスク
- 株価の過熱感:今の株価は、企業の利益に対して少し高すぎるという見方もあります
- マクロ着地失敗:景気が急に悪化したり、インフレが再燃したりするリスク
もし、これらのリスクが現実のものとなった場合、株価は大きく下落するかもしれません。その時、慌てないためにも、事前にシナリオを立てておくことが大切です。
第7章 2025年残り5か月のアウトルック〜年末に向けてどう動く?〜
さて、2025年も残り5か月となりました。この先、株価がどうなるのか、考えられる3つのシナリオをご紹介します。
ベースライン:緩やかな上昇持続
最も可能性が高いと考えられるシナリオです。AIブームと金利の安定で、株価はゆっくりと、しかし着実に上昇していくでしょう。
強気シナリオ(Bull):AI収益化のブレークスルーで再ラリー
もしAI関連企業の収益化が加速したり、FRBが予想以上に金利を下げたりすれば、株価は再び大きく上昇する可能性があります。
弱気シナリオ(Bear):政策失敗 or 外生ショックで▲15%超調整
もし、先ほど挙げたリスクが現実のものとなった場合、株価は大きく下落するかもしれません。特に、地政学的な衝突や関税の全面発動が起きれば、市場は一気に冷え込むでしょう。
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まとめとアクションプラン
今回、2025年7月末の「世界同時株高」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回の株高は、一時的なものではなく、AIや金利、各国の政策など、様々な要因が複雑に絡み合った結果であることが、お分かりいただけたかと思います。
しかし、私が25年間現場に立ち続けた中で学んだのは、「どんなに完璧なレシピでも、予期せぬトラブルは起きる」ということです。
大切なのは、「もしもの時」に備えて、落ち着いて行動できる準備をしておくこと。
この記事を読んで、「投資って面白そう!」と感じた方は、まずは少額から始めてみてください。そして、「いざという時」に備えて、以下のチェックリストを頭の片隅に入れておいてくださいね。
- 生活資金は絶対に投資に回さない
- 余裕資金の一部で、株や投資信託を少しずつ買ってみる
- もし株価が下がっても、慌てずに冷静に対応する
最後に
私たちは、難病と向き合っていることもあり、生活における不安やお金の重さを誰よりも知っていると自負しています。
だからこそ、金融知識を身につけ、自分らしい豊かな人生を送ってほしいと心から願っています。この記事が、皆さんの人生を少しでも豊かにするきっかけになれば幸いです。
これからも、皆さんの生活に役立つ情報を、私の実体験や感情も交えながら、人間らしい自然な語り口で発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。