社会人1年目当時の事なので現在とのズレがあります。思い出して書きました。
私がフード・サービス業に携わるきっかけとなったのは、名古屋に初めて出店したロイヤルホストでのアルバイト経験でした。初めて接客業の世界に足を踏み入れ、お客様と接する楽しさや感謝の言葉をいただく喜びを知ったのです。自分が料理を作ったわけではないのに、「おいしかった!」という言葉が心に響き、その後のキャリアを決定づける出会いとなりました。
接客の基本を学んだ日々
ロイヤルホストでは、徹底した接客教育を受けました。初めての接客業で緊張していましたが、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を中心に体で覚える教育方針が自分には合っていたようです。
新規店舗教育は約2週間ほどのトレーニング期間があります。(副業でしたので18時ころから閉店時間まで)
- 1日目:接客マナー基礎(お辞儀の角度や敬語の使い方)
- 2日目:テーブルセッティング実習(ナイフとフォークの配置距離測定)
- 3日目:オーダー取り模擬演習(メニュー全品目の成分暗記テスト)
- 4日目:レジ操作研修(現金管理の徹底指導)
特に印象的だったのが、笑顔チェックのトレーニングです。鏡を使って笑顔の練習をすることで、自分の表情を意識する習慣が身につきました。また、お冷グラスをテーブルに置く際、音を立てないように指をグラスの底に差し入れるなど、細かな心配りを学びました。
接客サービスの「黄金ルール」
接客中は常に「45度ルール」を意識しました。これは、お客様に対して斜め45度の位置に立つことで、適度な距離感を保ちながらサービスするというものです。距離が近すぎると圧迫感を与え、遠すぎると冷たい印象になるため、絶妙なバランスが求められました。お辞儀をするときも一緒です。
さらに、アフターコーヒー提供後の素早い計算も徹底されていました。電卓を使ってすぐに会計額を出し、お客様を待たせない工夫は、サービス品質の向上に大きく寄与していました。
経営管理への興味を持つ
接客業を続ける中で、私はサービスだけでなく経営管理にも興味を持つようになりました。そこで、業界誌『日経レストラン』を定期購読し、サービスの裏側にある経営理論を学びました。
当時、ロイヤルホストはチェーンストア理論に基づく運営を行っていました。その中で、次のような管理基準があったことを覚えています。
- 人件費比率:売上の20〜30%が理想(例:月1,000万円の売上なら200〜300万円)
- 原価率:30〜35%が標準(高級食材を多用する余裕があり、廃棄ロス5〜10%が一般的)
これらの数値を意識することで、「経営者目線」で店舗運営を考える視点が育まれました。
損益計算の基礎を学ぶ(簡単な計算ですがすべてはここから始まりました)
経営を学ぶ中で、損益計算書の重要性を理解しました。具体的には以下のような計算を意識していました。
- 売上高:月間売上1,000万円
- 原価:30%(300万円)
- 人件費:25%(250万円)
- その他経費(光熱費・家賃・広告費など):20%(200万円)
この場合の利益計算は次の通りです。
売上高1,000万円 - 原価300万円 - 人件費250万円 - その他経費200万円 = 営業利益250万円
営業利益率25%という結果になり、店舗の健全な経営状態を示す指標となります。
フード・サービス業の魅力
ロイヤルホストでの経験は、私にとって単なるアルバイトではなく、「人に喜ばれることの大切さ」や「サービスの奥深さ」を学んだ原点です。その後、カレーハウスCoCo壱番屋で店長や統括店長として勤務する際も、この経験が大いに役立ちました。
フード・サービス業は、人と人との触れ合いを通じて心を満たす仕事です。お客様の笑顔を引き出すための努力が、結果として自分自身の成長につながることを実感しています。
「ありがとう、また来るね」
この言葉を聞くたびに、初心を思い出し、次のサービスへの意欲が湧いてきます。これからも、人に喜んでもらえるサービスの本質を忘れず、学び続けていきたいと思います。
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